ロジカル経営Vol.1「プロスピーカー」(リフォーム産業新聞連動企画)

2020.10.23 10:00

ロジカル経営vol1 今月のテーマ「プロスピーカー」記事イメージ

(上記は、リフォーム産業新聞2020年10月26日号掲載 ※抜粋版)。
https://www.reform-online.jp/

当社代表による寄稿原稿の完全版

外壁塗装を専門に今期で13期目。年商35億を超える事業成長する三和ペイント(大阪本社)。後ろ盾も無いなかでの創業、理念経営、年輪成長を目指すなかで、なぜ経営者がプロスピーカーという資格を取得したのか? 今回のテーマです。

 

経営者は人の思考に影響を与える仕事

そもそも人を統率する際に理解するべきことがあるのではないか?そう考え至ったのが「人は解釈の世界で生きている」ことです。
例えば、「日本という国に生まれた。そして日本という国は政治的リーダーが少なく、負の20年があり、世界からも今取り残されている。今後人口も減少していく。日本というのは古来からの伝統があり、歴史があり、かつ世界で類を見ない単一民族として、世界的に第2位のGDPを築いた。そして世界で唯一の原爆の被爆国家であり、戦後のスクラップ&ビルドで大きな復興を遂げた。皆保険制度もあり、基本的人権も守られた日本という国に住んでいる自分はすごく幸せだ」。このように、先行きが明るいか暗いか?幸せか不幸か?は、その人の捉え方(解釈)であると言えます。
では人が解釈で生きていることを前提に、人が成す組織において「経営者の仕事ってなにか?」を問う機会がありました。もちろん制度として仕組みを作ったり整えたり、商品を作ったり、様々なタスクがあると思うなかで、“人の思考に影響を与える仕事”だと考えるようになったのです。
人を本質的にとらえた時に、その中心に「気質」がありその価値観は変わらない。あくまでも主観ですが、気質を中心に置いた時に、その周りには「考え方」があり、その考え方の周りに「言葉」「行為」「態度」が付随する。そして人はそれを選択しながら生きている。そう捉えたときに、「言葉」「行為」「態度」を管理するのは難しいと考え、どちらかというと「考え方」に影響を与えることが経営者として大切だと認識したのです。

経営者は人の思考に影響を与える仕事 イメージ図
 

人は言語認知する生き物である

人を本質的に捉えたときに、その人の「考え方」に対して影響を与えるというのはどういうことか?リーダーシップを発揮するという言葉がありますが、リーダーが旗を振るというのは伝えるということ、伝え続ける、伝わるように伝えることだと思います。その時何が大切か?私たちはやっぱり言語認知をする生き物だと考えます。人間に備わった言語能力。私たちは日々その言語・言葉によってコミュニケーションをしている。そして組織全体を動かそうとしたときやはり伝える力、もっと言うと伝わる力が必要なんじゃないかと考え、スピーカーというトレーニング・資格に辿り着きました。そこで出会ったのが『アチーブメント社』のカリキュラムです。
簡単に言うと、伝えるというのは「行為」であって、伝わるというのが「目的」であるとしたときに、「伝わるように伝える」にはどうしたらいいのか?のメソッドを習得していくことになります。そしてプロスピーカーの定義は、思考に影響を与えるっていうだけではなくて、メッセージによって人の行動変容を作り出せるというところまで追求していくことを学んでいきます。

スピーチで目的浸透度を高めるイメージ
 

行動言語、これが難しい!?

プロスピーカーになるには最低30日間ほどの研修を受けます。その研修前に別のプログラムも習得しなくてはいけません。自分の時間投資だけでなく、会社(スタッフ)へのフィードバックも大切です。何を学び、会社成長のために何が活かせるか。培ったものを社内にも伝播させることが大切です。
プログラムの中で「行動言語(言動一致))」ということを学ぶのですが、単に表現するとか、うまく説明することではなく、相手に行動変容を促すことを求められます。トレーニングでは、自分が実際に取り組み「死にそうや~」と思うことや葛藤、そして「やったー」と感じる心の充実みたいなものを、行動レベルで言語化し相手に伝えることを求められる。メッセージに実を合わせていくトレーニングをしますが、これが大変で…。時間がかかる人もいます。習得レベルは、メッセージを伝える相手に「あ、確かにそれいいよね」と気づきを与えるだけでなく、相手の中に自己評価を起こしたり高めたりして、行動が変わることをひとつのゴールセッティングする最終試験がある。改めて振り返ると大変苦労したなあと感じます。

 

スピーチで目的浸透度を高める

組織運営において、人の力を借りて、人に与えて、人の力を借りての繰り返しと言いますが、経営とはその最たるものです。私が出来ることはほんの一部です。組織全体は様々な人の見えないエネルギーで成り立っている。としたときに、その力を活かすことが経営者には求められます。私はコーチングの免許も取得しましたが、コーチングはワン・オン・ワンでその人の力を引き出すスキルです。それに対してプロスピーカーは一対マスの力ですよね。個に、組織に影響力を与えるためには双方が必要不可欠な学びだと、いま改めてその大切さを振り返ります。
プロスピーカーのトレーニングを通じて自己成長も、会社(組織)の目的浸透度も大きく前進したと考えています。特に組織目的の浸透度では、「会社として今こっちの方向に舵を切るぞ!とか、ここに注力するぞ!」ということに対して、間違いなくそのメッセージに対するレスポンスは早くなります。伝える技術を向上させることで、経営改革や業務の改善スピードが向上する。そのサイクルがきっと成長に導くと信じますし、ロジカル経営の大切な一つだと捉えています。

木原史貴(きはら ふみたか)
三和ペイント株式会社 代表取締役社長
2007年三和ペイント株式会社を創業。外壁塗装を専門とし、現在全国20ヵ所で事業を展開。JPSA(一般財団法人日本プロスピーカー協会)をベーシックプロスピーカーを取得。

上記原稿は「リフォーム産業新聞」2020年10月26日号掲載の完全版です。
https://www.reform-online.jp/

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