ロジカル経営Vol.2「新卒採用」(リフォーム産業新聞連動企画)

2020.11.23 07:00

ロジカル経営vol2 今月のテーマ「新卒採用」記事イメージ

(上記は、リフォーム産業新聞2020年11月23日号掲載 ※抜粋版)。
https://www.reform-online.jp/

当社代表による寄稿原稿の完全版

外壁塗装の三和ペイント(大阪本社)。従業員180名中、新卒採用メンバーが3分の1を占め20歳代が活躍する。無謀と呆れられた周囲に反して採用が順調、離職率も10%前後だ。なぜ新卒採用にこだわるのか!?

 

事業成長と共に、増加したクレーム

創業4期目にして新卒採用を実施した理由。一言でいうと「理念経営」の追求です。ともあれ、そこに至る経緯があります。今回はそんな背景と共に、私自身が大切にしている考えについてお伝えしてまいります。
創業間もなく事業モデルが順調に育ち、一定の勝ちパターを確立。売上は右肩上りで推移したと同時に増えたのがお客様からのお叱り(クレーム)でした。建築リフォーム業界では一定出現するクレーム。当たり前のように捉えられますが、この事象と真剣に向き合うこと、そして一緒になって改善に取り組んでくれる社員はどれだけいるのか? また業界不信を払拭したいという前職からの創業経緯もありましたので、自分が創り出したい会社はこの延長線上にあるのか?など立ち止まって考える機会がありました。そして改めて強く意識したのが「経営理念」です。この旗印のもと、どれだけの社員が一緒になって理念追求にこだわってくれるか?悩み、深く考えました。

 

命懸けの火起こし

悩み、そして一つの解として導き出したのが「(私が)働く上で大事にしたい想いや考え方、創り出したい世界観について共感してくれる人」を採用することでした。そう考えた時に採用と育成の仕組みがありません。私自らが社外に学びを求め、その知見ノウハウを吸収するために時間投資をおこないました。その中で中途採用はスキルや報酬マッチが主で理念共感をつくるのは難しい。ならばスキルは乏しいがマインドが高い若いメンバーを採用しようとなり、新卒採用のスキーム構築に取組みました。1年目は火起こしです。必至のパッチで種火を作るため、自らが現場で陣頭指揮を執り命懸けで火を起こし4名の採用に至りました。2年目は火を消さないために燃料(理念体現)をくべ、3年目に薪を投入し、4年目にようやく炭ができる。そこからは順調に好循環の採用サイクルが回り始めました。この循環の良かった点は総合職採用したことです。基本、営業主体の会社ですのでフロント採用は営業職をとるのが当たり前です。なので総合職採用は勇気がいります。しかし経営理念に共感し入社を決めてくれた新卒1期生の3名が人事部を望み、そのメンバーが価値をみいだす。起こった火をフーフーして火を強くする。1期生が体験体感したことをボイスチェンジし、新たな学生にその想いを伝播させる。この本質(循環)が上手くいっている理由だと考えています。

ロジカル経営Vol.2「新卒採用」社長イメージ
 

メソッドは2軸で構成

新卒採用をはじめて来期で10年目。ありがたいことに離職者は10%前後で推移しています。やはりこの成果は理念共感、職種マッチングを徹底的にスキーム化した採用メソッドだと思います。世に言う就職活動は「就社」活動で、職に就くということを理解していない人が多いと感じます。当社では、選考の1次2次では理念共感。3次4次では職種マッチングとして通い型で業務体験をしてもらっています。
1次2次では長く一緒に働ける人材探し。そのためカルチャーマッチングを計ります。カルチャーとは何か?中小企業においてそれは経営者が大切にしている理念などです。創り出したい価値や世界観に共感してくれる人をこれでもかというくらい絞ります。そして3次4次は徹底的に職種マッチングを計ります。当社で言うと営業職です。本当にその職種が好きか?何を価値として見出すのか?など。実際の業務を体験してもらうことにより、その人の芯を見るのです。仕事は辛いことも大変なこともあります。壁にぶつかったとき、それを乗り越えられる本質は、その仕事が好きであることが私は大切だと思っています。この2軸で振るいにかけるからこそ採用エラーが減ると考えています。

 

採用ブランディングへの挑戦

年々、新卒採用のPDCAが高まっています。考え方(理念)マッチングに重きを置き過ぎていたことが離職に繋がっていましたが、特にこの2~3年は職種マッチングのスクリーニングを厳しくすることで定着率が改善しています。そして新卒採用10年目を迎えますが、新たな取り組みとして福岡での拠点採用を実施します。採用力を高めるために、企業ブランド×人事制度×表現力(見せ方)など、多様な切り口で採用方法を深化させていきたいと考えております。
当社は年輪成長が目標です。目先の利益に囚われ過ぎるとその歩みに支障をきたします。なぜなら「企業は人なり」、スタッフが育たなければ会社も育ちません。その本質は入社した人が輝きを放ち、魅力的で、影響力を発揮するからこそ「そこで働きたい!」というブランディングができると考えています。そのために採用したからには一生懸命育て活躍してもらう将になってもらう。道のりは果てしないですが、改めて企業は人なり、王道しかないと考えています。

採用の取組みイメージ図

木原史貴(きはら ふみたか)
三和ペイント株式会社 代表取締役社長
2007年創業。外壁塗装を専門とし、現在全国20ヵ所で事業を展開。新たなチャレンジとして福岡を加え、大阪と2都市採用を検討中。

上記原稿は「リフォーム産業新聞」2020年11月23日号掲載の完全版です。
https://www.reform-online.jp/

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